ざとくのざっとオタク雑談

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ジャナ研の憂鬱な事件簿4の感想などなど

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今回は2018年8月にガガガ文庫から刊行されました『ジャナ研の憂鬱な事件簿』の感想です。
自分はついつい本を積んでしまうことがあるのですが、ジャナ研は1巻から一度も積むことなく発売してからすぐに読んでいます。
人間の綺麗ではないところをきちんと描く作品で切なさや遣り切れなさ、様々な考えが交錯する内容が特徴的です。
決して続きの気になるような話の展開ではないのですが、独特の雰囲気と魅力的なキャラクターが原因ではないでしょうか。
勝手にジャナ研って略称使ってるけど正しいのか?


初紹介なので毎度のことながら作品紹介です。興味ないよって方は飛ばしちゃってください。
ジャナ研の憂鬱な事件簿は2016年の第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した『翡翠琥珀』の題名を変えたものです、だと思います。(間違ってたら恥ずかしい)
受賞時と題名が変わることって結構あるけどどうなんだろうか。
翡翠琥珀』もおしゃれでいいのではと思ったけど、『ジャナ研の憂鬱な事件簿』の方が伝わりやすい。
著者の酒井田先生は本作がデビュー作でガガガチャンネルにも出演されてました。
一度きりだったことを考えるとやっぱりガガガチャンネルって…。
イラストの白身魚先生は説明不要でしょう。
白身魚先生のイラストホント好き。


ジャンルはハードルが高いことで(私の中で)有名な学園ミステリーです。本作品は投稿作ながらしっかりとハードルを越えてくれました。
てか何度も改稿はしていると思うのですが投稿作なのに完成度が高い。
対象作品全てに言えることですが無修正の原稿を読んでみたい。


個人的には物語を比べる必要はないと思うのですが、学園ミステリーという題材に加え白身魚さんのイラストと聞くとアニメ化もした某人気小説を連想してしまう方もいると思います。私も同じ事を考えましたが、今では似てはいるけど違う作品だとはっきり言えます。

学園ミステリーと銘打っていますが2巻以降は事件の規模が大きくなっていき、不通に学園の外に飛び出しています。
学園ミステリー(事件が校内で学園でおきるとは言っていない)
になってます。

何かと自分語りが多くなってしまいました(オタクだからしょうがないね)が、今回紹介する4巻のあらすじはこちらです。

彼女はもうジャナ研に来ないかもしれない。
彼女はもう、ジャナ研に来ないかもしれない――。新鋭が書く、爽やかで切ない日常系ミステリー第4弾。

写真部から、金賞を獲得した被写体の金魚が盗まれた。居合わせたジャナ研の面々は、真犯人を見つけようとする。(「金魚はどこだ?」)
介護施設で、とある老人の部屋が荒らされた。啓介は手がかりを探るうちに、あまりにも切ない真実にたどりつき……。事実の公表を巡って真冬と意見が分かれるが、互いにどうしても引けず、そのままぎくしゃくしてしまう。(「スウィート・マイ・ホーム」)
真冬がジャナ研の部室に姿を見せなくなってから1か月以上が経った。交通事故に遭ったユリもしばらく学校を休んでいる。そんなとき、啓介はA棟の空き教室で「女の幽霊を見た」と後輩から助けを求められる。 (「ジュリエットの亡霊」)

身のほどを気にして、傷つかない道を選ぶのは間違っているのか? 綺麗なだけではない真実を暴くのは、正しいことなのだろうか?
真冬の卒業を数か月後に控え、人間関係が大きく動く最新刊!


ジャナ研の憂鬱な事件簿 (4) (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (4) (ガガガ文庫)


啓介と真冬の関係が良い方向に進むと思いきや今までの話でも感じられた二人の思想のズレが表面化してしまうようですね。


ヒロイン白鳥真冬

正直なことを言うとこの白鳥真冬というヒロインについて書きたくてジャナ研の記事を書こうと決めました。
ここだけは読んでくれ!!!

黒髪ロング眼鏡とどこかおっとりとしたか弱そうな、儚い印象を受ける顔立ちの彼女はその印象通り優しい性格なのですが、実は高身長で読モ経験があったり、人からの意見をしっかりと受け止めることができる芯をもった少女です。
1巻を読んで白鳥真冬という少女を知ったときは本当に驚きました。

「なんだこの美少女は?!こんなん好きになるに決まってるだろ!!!いい加減にしろ!」

と言いたくなりました。いや、実際に言いました。今まで出会ったことがない魅力的なヒロインなのに言葉で表すのは難しい彼女ですが、無理やり文字にするなら

手の届きそうな場所にいるのにそのわずかな距離が決して埋まることのない存在

目には見えているのに住んでいる次元が違う存在

のような少女です。
まあ実際に次元は違うんですけどね(うまい)


長くなってしまったのでここまでと言いたいところですが、今回はオンリーワンな彼女を紹介するために書いているのでまだ続きます。
興味のない方も読んでください、読め(過激派)

ここで白鳥さんの属性を紹介します

 ・先輩
 ・眼鏡
 ・黒髪ロング
 ・高身長
 ・お嬢様
 ・元読モ
 ・頭脳明晰

普通、これだけの属性を詰め込んだら方向性が安定せずロクなキャラにはならないでしょう。ましてやメインヒロインなんて務まるとは思いません。
しかし白鳥真冬は魅力的なヒロインとして成立しているのです。
著者の酒井田先生は男子校出身らしいのですが、疑いたくなってきます。むしろ男子校出身だからこそこれほどのヒロインを誕生させられたのかもしれません。(男子校disではありません、決して男子校disではありません)

この作品では啓介と白鳥さんの恋愛模様も描かれています。出会いから始まり、部活で共に活動をしていく中で徐々に惹かれあっていく様子がなんとも…
お互い頭の回転が早いのですが、恋愛のこととなると不器用になるのが高校生らしくて現実味を感じさせます。


金魚はどこだ?

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突然消えた写真部の金魚を探す話。
学園ミステリーらしい話でした。
高校生の行動を理解したうえで作られた完成度の高い話だったと思います。

この作品に出てくる女性陣、真冬、ユリ、由香子、全員芯のある子だなあ。
この短編で出てきた写真部の玲ちゃんも目的のためには周りを気にしないようなこだし。
作者の好みだろうか。

スウィート・マイ・ホーム

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老人ホームの紳士の身元を突き止める話。
内容自体スッキリする話ではないが、ジャナ研では日常茶飯事。

今までは声だけの登場だった真冬の母親との会合。
予想通りの美人設定だった。
というかヒロインの母親を美人にしないメリットがないんですよね。

啓介と真冬の考え方のズレを浮き彫りにするための事件だとは思うけど単純に完成度が高い!!!
こういうところが面白く読める要因なんだなあ(しみじみ)。

ジュリエットの亡霊

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玲ちゃんがまさかの再登場。彼女の見てしまった幽霊の正体を解明する話。
ジャナ研は各章に入る時、サブタイとイラストの見開きページがあり、この短編では↑の激カワユリが前面に押し出されたイラスト。
加えて幽霊騒ぎでポップな展開かと思いきや相変わらずの重い展開。
ふざけんな酒井田ァ!期待を返せ!!!

文句は言いましたが、青春群青劇あるあるの取り返しのつかない残酷な展開はめっちゃ好みなので普通に楽しく読めた。
今までの数ある事件の中でも一、二を争うほど身近に感じることができる話でユリへの感情移入がすごかった。
それ以前にユリの生き方がかっこよすぎるんだよなあ。

3つの短編だと事件としては金魚が一番学園ミステリーらしい話だったけど、人気があるのはこのジュリエットかなという印象。


さっき金魚はどこだ?の時に本作の女性陣は芯があると言いましたが、その中でも一番我を貫いているユリの心が揺れてしまったのには青春群青劇らしいと思いつつも、衝撃を受けた。


周りの意見なんて気にせず常に自信に満ちているユリが最後に見せた切なげな表情に全て持っていかれた。
抱き締めて殴られたい、殴られるのか(困惑)


全体を通して啓介と真冬の考え方のズレから関係性の変化が書かれていたけど、4巻のヒロインはユリではないかと思わされるほど印象に残る話だった。


各々の信念を曲げなかった結果、対立してしまった二人。
信念を曲げず理想を掴みかけたのに理不尽によって奪われ信念が揺らいだ少女。

こうみると4巻ではキャラについて改めて深掘りしているように思えますね。

そしてあの終わりかたはずるい。真冬もそうだけどユリの台詞についても掘り下げたいところだけど!やはり読み込みが浅すぎて難しい。

感想

ユリをひどい目に遭わせやがってふざけんな酒井田ァ!!!(全国共通意見)
ホントに読み終わると頭に残っているのはユリのことだけだった(萌えブタ)。
5巻の記事ではユリ考察の長文を書いてしまいそうな予感。
冗談はさておき、別に冗談ではないけど、あらすじの通り人間関係が大きく動いていました。
まさに青春群青劇って感じでしたね。

元々この作品は学園ミステリーの裏に青春群青劇の要素を含んでいるので、考察のしがいがあるのですが自分の読み込みが浅いこともありそこまで踏み込むことができませんでした。
なのでこの記事を読んだジャナ研既読者は考察の記事を書いてくれ、未読者はジャナ研を読んでから考察記事を書いてくれ(丸投げ)。

次の5巻ではこの不穏な雰囲気は解消されるのだろうか。それともまだ引きずるのか。
とちらにしても楽しみですね。
それではまた。

ラノベ作家ギャル好き多くね?

ようこそ実力至上主義の教室へ8の感想、考察などなど

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よう実8表紙

今回は2018年5月25日にMF文庫Jから刊行されました『ようこそ実力至上主義の教室へ8』を読了しました。

このブログとしては初めて初紹介ではない作品です。
作品の紹介は7.5巻の方を見てください。
zatoku-zatto.hatenablog.com


ナンバリング的には8巻ですが4.5巻と7.5巻を挟んでいるので巻数としてはもう10巻目ですね。
当初の発売日は4月でしたが衣笠先生が手を負傷して1ヵ月延期になりました。先生ドジっ子かよ。

そんな8巻ですが内容としては初めての全学年合同特別試験『混合合宿』になっています。
過去に体育祭で他学年と絡む機会はありましたが、今回はそれとは比にならないくらい様々な動きがみられました。
綾小路が堀北兄と取引してからは初めてですし。

他学年もそうですが、一年の他クラスの生徒が多数登場します。
これまで他クラスの生徒は主要キャラしか描かれていませんでしたが、8巻では他クラスの様々な生徒が大きく関わってきます。

それと1年3学期のこのタイミングでDクラスはCクラスになりました。設定上しょうがないとは思うんだけど、クラス変わるのややこしいな。

男キャラ6人のカラーイラストが最高にかっこいい。これほど男キャラを丁寧に扱ってる作品も珍しい。

ではではこれ以降は原作を読んでからをお勧めします。

※以下ネタバレあり

堀北学の独白

よう実シリーズお馴染みの独白スタートです。
今回は表紙にもなっている堀北兄の独白でしたね。
表紙&独白ということで8巻は堀北兄回といったところでしょうか。
個人的には別のキャラのほうが印象が強かったのですが、そのキャラについては後ほど。

俺は心から信頼できる友と言う存在を、あえて作ってこなかった。
俺はまだ理解できていなかった。3年間の時を経て、やっと気づくのだ。
自らの『過ち』そして、それが『後悔』へと繋がることに。
そして、それが『始まり』であることを――――。

独白の内容で注目すべき点はここでしょう。
今度のストーリーを示唆するようです。

わざわざ括弧付きにされていることから、『過ち』、『後悔』、『始まり』、の3つが重要なワードなのは一目瞭然です。
1つずつ考えていくと、まず『過ち』は文脈から考えるに、心から信頼できる友を作らなかったことでしょう。
『後悔』は今回の試験で危うく激カワ(重要)クラスメイトである橘先輩を失ってしまいそうになったことでしょう。
橘先輩出番少ないのにすごい好きなんだよなぁ(萌え豚)。
ここで過ちが後悔の原因になるかと聞かれるとなんとも絶対とは言い切れません。
しかし、残念ながらこれ以外に『過ち』に当てはまりそうなことを読み取れなかったので、ここは
『信頼できる友がいれば橘の危機を察知できたかもしれない』という解釈で妥協します(無能)。
最後の『始まり』は今回の混合合宿を境に堀北兄の周囲または、学校全体が変わっていくということでしょう。悪い方向に。

登場当初は圧倒的強キャラ感があふれているラスボスではと思わされるような堀北兄でしたが、卒業までの数ヵ月は苦しむことになりそうですね。


Aクラスの主役!?弥彦くん

なんと綾小路と弥彦が同じグループに!そのおかげもあって出番がかなり多いです。ついに時代が弥彦に追いついたって感じですね。
「え?弥彦って誰?」だって。
説明しよう、弥彦とはAクラスの戸塚弥彦のことである。
葛城のことが大好きであり、プライドが高く、他クラスを見下すことが得意だ。性格が最底辺な上に際立った能力はなく、無人島試験の戦犯の一人で、こいつなんでAクラス何だ?の筆頭候補である。決め台詞は「葛城さんに勝てると思うなよ」だ!
要約するとAクラスポンコツ担当です。

まあ弥彦いじりはこの辺にして綾小路と同じグループになったAクラスの生徒は弥彦と橋本です。
橋本は無人島試験の時にも一瞬登場していて、当時から坂柳派であることに変わりはありませんが、深夜の龍園との密会で自分本位な性格が出ていましたね。
綾小路からの評価も悪くない橋本ですが、南雲の口から名前が出るまで綾小路に何の不信感も抱いていないことからも、ただAクラス止まりな感じですね。
綾小路が有能過ぎて他が弱く見えるのはしょうがないね。

そんなこんなで橋本の方が様々な動きを見せていたため、弥彦は特に何もやっていません。
運動が不得意なのがわかったくらい。マジでこいつ使えねーな。

橋本は今度も出番がありそうですね。
坂柳の取り巻きとしてもそうですが、南雲にうまく使われそうな予感。

どうでもいいけど橋本の事を勝手にさわやか系のイケメンだと思って読んでいたせいで、後半の挿絵の見るからに悪そうな見た目にめちゃくちゃ驚いた。
これ結構共感してくれると思うんだけどなあ。


ぶれない高円寺

あらすじだけを読んだときは新しい試験で高円寺を中心に話が進んでいき、何かしらの変化があるものだと思っていました。
ですが、高円寺自身には何の変化もなし。

分かったことと言えば高円寺が卒業生のプライベートポイントを現金で買い取り、2000万ポイントを使いAクラスへ昇級するという作戦。
あと、アレの大きさが
金田 < 須藤 = 葛城 < アルベルト < 高円寺 = 綾小路 = Tレックス
であること。
この情報は伏線だな(混乱)。
これは一体どの層に需要があるんですかねえ(困惑)。

それでも高円寺が綾小路の本質に気づいたことは今後の展開に関わってきそうですね。

一ノ瀬崩し

今回の特別試験では男女別で進行していたため女子側の情報がほとんどありませんでしたが、夕食の時間には断片的ではありましたが各々の姿を確認できました。
その中でも一番強調されていたのは一ノ瀬のらしくない姿でしょう。
試験初日から疲れた表情を見せていました。
挿絵のぐてっとした一ノ瀬が最高にエロ可愛い

繰り返したくない。
あのつらい日々を。
あの、残酷な時間を。

一ノ瀬の本心が見える重要な伏線ですね。
おそらく8巻で一番考察するべきなのはここだと思いますが、正直情報が少なすぎてわからない。
せめて真澄ちゃんとの共通点くらいは解らないとどうしようもありません。

最後の夕食の時には完璧に疲れ切っている一ノ瀬。
それでも綾小路の言葉の違和感に気づくのは流石としかいえない。


坂柳が意味ありげな台詞を言っていることから、何かしら手を打っているのは間違いないでしょう。

綾小路も新登場したCクラスの王美雨(ワン・メイユイ)ちゃんから情報を聞き出すんじゃないのかなと思います。
なんか王美雨ちゃんと佐倉って似てない?


何の根拠もない個人的な直感では1年で初めに退学するのは一ノ瀬な気がする。
神崎助けて。

真ヒロイン朝比奈

ヒロインと呼んでいいかどうかは怪しいところだけど、希望も込めてヒロインにします。
今回の特別試験では表立った行動を見せない綾小路は唯一起こした行動として描かれているのが、朝比奈なずなとの接触です。
まあ、綾小路のことだから描かれていないところで色々と動いでいるんだろうけど。

まず、挿絵の朝比奈先輩が可愛い。
そして南雲を崇拝せず、軽そうな見た目に関わらず義理堅く、お守りを大事にするという素晴らしいギャップを持っている最強のヒロインである。
なんとなく軽井沢に似ているところがありますね。

この子がどう動くかで綾小路の立ち位置も変わってくると思うの今後も出番が多いはず(歓喜)。

櫛田をめぐる対立

1巻の表紙を飾った水筒マンもとい堀北妹ですが、ヒロインの座は軽井沢に譲り、むしろ綾小路と対立するようなことになっています。
櫛田を退学させたい綾小路と櫛田とうまくやりたい堀北の構図が完成されたので、後々衝突しそうですね。

よく考えると最も近しい人との対立ってクソ熱い展開だよなあ。
でも、勝負が見えてるのは悲しいところ。

橘先輩の涙

膝を抱える橘先輩の挿絵がなんかこう、庇護欲をそそられました。
守ってあげたい(決め顔)。
声をかけた綾小路に対しても強がってしまうあたり、何が何でも堀北に迷惑を掛けたくないらしい。
健気ないい子だなあ。
もし素直に助けを求めてたら綾小路は手を差し伸べたのでしょうか。

「オレが手を出さなきゃ、完全に詰み、ってことだな」

と言った綾小路。
つまり、何かしら手を出して助けてあげるのかなと思ったのですが、そこは冷酷無残な綾小路らしく何もせずそのまま橘先輩は退学の危機に。
まあ、多額のポイントを使って退学にはなりませんでしたが、橘先輩の性格的にかなり不安定になってそう。

そして橘先輩を退学に陥れた南雲ですが気になった点がいくつかあります。
まず一つが、南雲が今回取った信用を裏切って相手を陥れる作戦はいっそ清々しく好感が持てるのですが、それをここで使ってしまったというのがもったいないような。
この手は堀北兄に直接使った方が良かったのでは?(凡人脳)

もう一つはしゃべりすぎて小物感が出てるところです。
橘先輩への死体蹴りはまあ演出的な面もあるとは思うのですが、

「奇想天外、いや規格外の戦略とでも言っておきましょうか。俺の手を読める人間なんて一人もいません。堀北先輩、あなたを含めて誰もね」

(綾小路は読めていた)。
これとかもう小物感やばくないですか。

それでも、2年全体+3年Bクラスを味方に付けている南雲は厄介そうですね。


感想

8巻は特別試験があったにも関わらず綾小路は表立った行動を見せずに、南雲の言うように前哨戦でした。
少し退屈に感じる人もいたと思いますが、何度か差し込まれた軽井沢が最高に可愛いかったのでなんの問題もありません。
いや、名前を連呼されて照れてたところとか、ホントに軽井沢可愛い。

協力関係になった桐山副会長ですが綾小路と同じグループでも何の動きもなし。
桐山は綾小路を信用できないみたいだし、読者は桐山よりも朝比奈先輩の方を信用しているはず。

堀北兄の独白に加え、最後の一文が不穏すぎる。

次巻では混合合宿での女子側での出来事、特に一ノ瀬についてを詳しく知りたいですね。
でも、堀北兄vs南雲のことを考えると次も全学年合同の特別試験じゃないでしょうか。

まあ、どう転んでも面白くなる要素しかないのでおとなしく待っていようと思います。
ではでは今回はこのへんで。
衣笠先生絶対ギャル好きだよなあ

弱キャラ友崎くんLv.6の感想、考察などなど

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6巻表紙

今回は2018年5月18日にガガガ文庫から刊行されました『弱キャラ友崎くん Lv.6』を読了しました。
当たり前かのようにシリーズ途中からの紹介になります。

ラノベの数々の賞を受賞している『弱キャラ』ですが、一応作品紹介をしておきます。
本作は第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作で、このライトノベルがすごい!文庫部門では2年連続トップ10入り、さらに新作ラノベ総選挙2017では2位にランクインしています。
5月中旬からTVCMが流れているようです。
CVは我らが松岡君と戸松さんです。ゲーム強そうですね。

著者の屋久ユウキ先生は陽キャ感が溢れ出ている方です。
デビュー作でこんなに話題になっているなんてすごいなあと思います(小並感)。
イラストはフライ先生はライトノベルの挿絵を数多く手がけていて、最近だと雑誌コミック百合姫の表紙やP.A.WORKS制作の2018年秋アニメ『色づく世界の明日から』のキャラクター原案をすることが発表されています。
『色づく世界の明日から』めちゃくちゃ楽しみです。
iroduku.jp


作品に話を戻しますとジャンルとして公式が銘打っているように『人生攻略ラブコメ』がしっくりきます。
主人公が自分から変わることを望む展開は最近ではよく見ますが、『弱キャラ』発売当初は珍しい分類だったと思います(うろ覚え)。

個人的な意見ですがこの作品は限界まで現実に近づけているように感じています。
もちろんフィクションならではの展開のないことはないのですが、クラスの雰囲気や主人公の考え方など誰もが一度は経験したことのあるような場面が多く、物語に入り込まされる作品だと思います。
あと1巻のラストの思わせぶりなシーンがスーパーアルティメット好みなのでぜひ読んでくれ(読んで)。

そんな本作品ですが5巻が大きな節目になっていると感じています。第一部完みたいな感じ。
パーフェクトヒロインこと日南がおそろしい手腕を見せてクラスの空気を自在に操ってみせた5巻から一転、6巻ではラブコメ要素の強い巻になっていました。
表紙のみみみはもちろんのこと、天使の生まれ変わりである風香ちゃんの出番も多かったです。


ではではこれ以降は原作を読んでからをお勧めします。

※以下ネタバレあり




友崎、ギャルゲー始まる

「――風香ちゃん、みみみ、優鈴、花火。そのなかであなたがいま付き合いたいのは、誰?」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.56

贅沢すぎるんだよなあ。
いや、ホントに贅沢。しかも2人は攻略途中なんだよなあ。
しかも2人も選んでいいという。
こいつ半年前まで陰キャだったんだぜ。
って感想です。読んでいる人ならこれには賛同してくれるでしょう。

その後の日南の「それとも――私?」で死んだ同志は多いはず。

友崎は6巻ではまだ答えは出していませんが、日南は置いといて、優鈴は彼氏持ち、たまちゃんは友崎とは師弟関係、と考えると消去法でみみみと風香ちゃんになるのかなって感じです。

一見、甘く軽そうな課題ですが友崎の考え方が垣間見える、作品にとって重大なポイントになっています。


インスタ…

フォロワーが3000人いる一般女子高生とは。
日南さんマジぱねえよなぁ!?
竹井、いいキャラだよね。

SNSを通して自分の地位を確立したり、交友関係を広げていくのはまさに今時の高校生といったところ。
正直今の高校生のインスタ利用率ってどのくらいなんですかね、と思って調べてみたら4割以上らしい。
現実でも本作のように陽キャがやっている感じでしょうか。

自分は日南と出会わない限りやりません。
日南次元を超えて人生攻略を手伝ってくれ(血涙)。


文化祭といえば演劇

あらすじからもわかるように6巻のメインイベントは文化祭です。
友崎は過去の文化祭を早退していたという思い出話で、文化祭中空き教室で寝ていたことを思い出させられました。つらい。

それはさておき、友崎が実行委員に。そして風香ちゃんの演劇の脚本。
2人でいることの多い友崎と風香ちゃんですが、校内の図書室以外場所では初めてでは。
なんかこの2人はお互い通じている雰囲気があっていいですよね。
あと風香ちゃんと遭遇するたびにカンストする友崎の語彙力。お前誰やねん。

演劇の主役が日南、たまちゃん、紺野なことには不安を隠しきれません。
日南の怒りが収まっているのかどうかによって展開が変わってきそうですね。
泉の胃が痛くなりそう。がんばれ泉。
どうでもいいけど、泉はなんか応援したくなりますよね。


ナンパ師水沢と女子高

作者は水沢のナンパ術をどこから仕入れたんでしょうか?経験談かな?

数々の女子高生を落とし、友崎までも落として見せる強キャラ水沢くん。
水沢こそ味方なら心強く、敵だと厄介なキャラですねよ。

数少ないぐみちゃんの出番でしたが、特になんもなく終わりましたね。
ぐみちゃんみたいな後輩が欲しい人生だった


ヒロインみみみ

まあ6巻は終始みみみが強すぎて他のことはあんまり覚えていないという人が多いと思います。
読み終わった後「みみみ可愛い!!!」とか「みみみいいいいいいいい!!!」とか叫んだはず。

生徒会選挙以降、友崎を気にしだしたみみみですが、6巻は今まで以上に友崎に対するスキンシップが多かったです。
こんなんされたら好きになるやろ(童貞脳)。
いや、マジで嫉妬してるみみみとか可愛い。

「私は、友崎のそーいうところが、好きなんだからね」
中略
「……あーっ! いま好きってそーいう意味の好きだと思ったでしょ!?」
中略
「――ま、そーいう意味の好きで、あってるんだけどね?」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.331,332

はい、全人類が萌え死にました。

文化祭での漫才の出し物では一波乱ありそうですね。


友崎の性根

6巻で考察するならばここでしょう。
人生という神ゲーを攻略するために日南から指南を受け、しかし、自分の根底となる『やりたいことをやる』という考えは曲げずにきた友崎ですが、悪いところが表面化してしまいます。

人生において自分が最底辺だったことがわかっているからこそ自分を下げて安心し、誰かが自分に好意を向けていることはおろか心配をしていることなどないと考え、自分を大切に思っている人を傷つけてしまう。
本当の性根の部分はまだ変わることができていないように感じます。

「友崎ってさー。なんかかっこいいときとそーじゃないときの差が激しいよねぇ」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.329

みみみの告白前の台詞。
水沢に指摘されたのはこのことでしょう。
友崎が風香ちゃんに本音を打ち明けた時に重い雰囲気になったのも、少なからず友崎のことを想っている風香ちゃんのことを考えれば納得がいきます。

水沢はみみみの告白は自分を意識させることや焦りから来たものだと言っていました。
この作品で常に正しいものが見えている水沢が言うのだから本当なのでしょう。
でも、みみみとしては自分の卑下する友崎に『俺なんか』ではなく『人に好かれる俺』と思って欲しかったのではないでしょうか。
誰よりも優しいみみみだからこその行動だったと思います。

感想

先日、ラノベ好きな友人と話している時に「日南葵ってラノベらしい良い名前だよな」と言われ、とっても納得しました。
みみみやたまちゃんなどの登場人物にあだ名が付いていることは現実味を強くしているように感じます。
前述もしましたが、この作品は極めて現実に寄せている作品ですがラノベらしさがしっかりと残っているからこそ読みやすいのだなと改めて思いました。

章ごとのサブタイトルもゲーム風でおもしろい。
あとがきの作者のフェチ語りですが毎巻、クッソ気持ち悪いけど理解できてしまうという謎の敗北感を植え付けられています。ホント意味不明。

次巻は文化祭後編といったところでしょうか。
6巻のラストでは友崎なりにみみみに対する答えが出ているようだったので、それがどのような内容で、どのような場面で伝えられるのか、楽しみにしたいと思います。

それでは、今回はこれくらいで。

あとがきとカラーイラストを見比べながら。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12の感想、考察などなど

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俺ガイル12巻表紙

今回は2017年9月21日にガガガ文庫から刊行されました『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。⑫』を読了しました。
毎度のことながらシリーズ途中からの紹介です。
個人的に好きな作品でもあり、ラブコメながら考察が捗る作品なので絶対にブログで書きたいと思ってました。


簡単に作品紹介をしておきます。
超人気タイトルなので「知っとるわボケ!」って方はとばしちゃって下さい。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』こと『俺ガイル』はこのライトノベルがすごいで3年連続作品部門1位を獲得して殿堂入りを果たし、累計発行部数700万部も突破し、TVアニメも2期までやっている超超超人気作です。
著者の渡航先生は『俺の妹』などの著者である伏見つかさに並ぶ、出たがり作家です(偏見)。
イラストのぽんかん⑧先生はアニメ『SHIROBAKO』のキャラデザなどしている方です。
どうでもいいけどぽんかんってひらがなで書くと可愛いですよね。
内容として高校生の主人公、比企谷八幡を中心とした青春群像劇なっていますが、主人公がぼっちをいうことで感情移入しやすく、所々にパロネタが入っていてとても読みやすい作品です。
ヒロインが可愛いのも魅力ですが、登場人物が全員、本当に生きているかのように感じることができるのがこの作品の最大の特徴だと思います。
しかし、大半が面倒くさい性格をしていて敢えて答えを言わないような思わせぶりな発言ばかりするので、読者としては考察し甲斐があるなぁと読む度に思っています。


さて、そんな俺ガイルの12巻ですが、12巻から最終章になるそうです。
最終章と聞いて読んだら終わりに近づいてしまうと思うとなかなか本を開くことができず、気づいたら半年経ってました。これ結構あるあるだと思うんだけどなあ。
12巻の内容としては11巻のラスト、雪ノ下が「私の依頼、聞いてもらえるかしら」と言った場面の続きとなっています。
12巻の刊行が11巻から2年経っていることもあり、11巻の途中から読み返しました。この作品何度読んでも面白いから困る。


ではではこれ以降は既読前提でなのでまだという方は是非12巻を読んでからをお勧めします。
これから書きますが、くっそ長くなると思います。

※以下ネタバレあり







幕間

Interlude・・・
12巻では数ページのInterlude・・・が3つ差し込まれています。
俺ガイルではよくある独白ですね。10巻の手記が強く印象に残っています。
その一つが最初のページです。
内容としては11巻の直後の誰かの心情を表したものでした。

――本当は。
冷たくて残酷な、悲しいだけの本物なんて、欲しくないのだから。


このInterlude・・・は八幡のものだと思いますが、残りの2つのInterlude・・・(後述しますが)に関しては由比ヶ浜のもので間違いないでしょう。
答えを口にするべきでそれは終わりを告げる合図でもあり、得られるものは冷たくて残酷な、悲しいだけの本物だけ。
ここから察するに八幡としてはもう答えは出ているみたいです。
答えが出ているのにそれを読者に知らせないのが俺ガイル。


雪ノ下雪乃の依頼

雪ノ下は県議で、建設会社の社長である父親の仕事を継ぐというのが夢らしい。しかし、それは姉の陽乃さんの役割だと母親よって決められてしまっている。

「・・・私の依頼はひとつだけ。・・・あなたたちに、その最後を見届けてもらいたい。それだけでいいの」


11巻から繋がる雪ノ下の依頼は、その夢について母親としっかりと話し、諦めるとしても自分の意志で決めたいというもの。
いよいよラスボスの雪ノ下母が深く関わってくるみたいですね。陽乃さん以上とか勝てる気がしない(絶望)。


正直、気になったのは雪ノ下の依頼の内容よりもそれを聞いた時の由比ヶ浜の反応ですね。

「ゆきのんの答えは、それ、なのかな・・・」


おそらく、由比ヶ浜の欲しかった答えとは違うものだったのでしょう。
後に、雪ノ下の家で報告を聞いた陽乃さんが「・・・ああ。そっちか。わたしが聞きたい話じゃなさそうだね」と言った後、「ね?」と由比ヶ浜に投げかけているので間違いないはず(間違いないとは言っていない)。

「これからどうしよっか?」
(中略)
「ゆきのんのこと。それと、あたしのこと。・・・あたしたちのこと」


由比ヶ浜について、11巻では八幡が「由比ヶ浜はたぶんまちがえない。彼女だけはずっと、正しい答えを見ていた気がする」と、12巻では陽乃さんが「本当に勘がいい子だよ。全部わかってるんだもん。雪乃ちゃんの考えも、本音も、ぜーんぶ」と言っている。
全部わかってる由比ヶ浜をわかっている陽乃さん、っべー。
由比ヶ浜は雪ノ下が八幡に抱く感情を全てわかった上で、決着をつけようと話を切り出した。
つまり、11巻の最後から由比ヶ浜が言っている答えというのは奉仕部3人の関係のことで、雪ノ下の依頼はそれとは違うものだったから当たり前の反応ではある。
それでもここで追求しないのが最高に由比ヶ浜らしい。いい子過ぎる(涙)。

でも、雪ノ下は3人の関係について言及するのが怖くてこの依頼をしたわけではなく、本心からの依頼なのは事実だと思う。


本物の雪ノ下陽乃とは

12巻では強化外骨格や完璧悪魔超人と呼ばれた陽乃さんの本心が垣間見えた気がします。
今までの陽乃さんは八幡たちの関係を面白おかしくかき回してくる厄介な相手とい印象でしたが、12巻では雪ノ下に協力を申し出たり、酔っているわけではないが大量のお酒を飲んだりと人間らしさが見えました。


陽乃さんは雪ノ下の自立を促すためにたくさんの行動を起こしてきたように思えてきました。
雪ノ下が自立できるのならば、雪ノ下の友人はもちろん雪ノ下自身にもちょっかいを出す。
優しく言えば不器用なシスコンみたいなものですが、どこか恐ろしい執着のようなものも感じます。
陽乃さんみたいな姉に振り回されたい人生だった。

「どんなにお酒を飲んでも後ろに冷静な自分がいるの。自分がどんな顔をしているかまで見える。笑ったり騒いだりしても、どこか他人事って感じするのよね」


陽乃さんの珍しい自分語りですね。本心でしょう。
陽乃さんが八幡を気に入っている理由は自意識の化け物である八幡とこういう自分に同じところを見出しているからかもしれない。
実際に八幡に対して「君は酔えない」と言ってます。
陽乃さんと朝までコースしてみてえ。


一色いろははぶれない

今回も奉仕部に依頼を持ってきてくれるのは一色でした。
自分がプロムクイーンになりたいからという彼女らしい理由でしたが、1人で何かを成し遂げたい雪ノ下にとっては最高のタイミングだったのでしょう。
好きな映画の下りは聞きたくなかった(絶望)。

雪ノ下母に食ってかかるところもなんとも一色らしい、もしかしたら彼女にしかできないことのように思えました。

あと、なんで一色が奉仕部のライングループに入ってるんですかねえ。
しかも『いろいろいろはす』って、…最高に可愛いんだが!


比企谷八幡はお兄ちゃんである

12巻では八幡をお兄ちゃんと強く印象付ける台詞が点在している。
初めは小町や川崎と京華ちゃんのエピソードから雪ノ下姉妹との対比のようなものだと思っていたが、その実は兄弟ではなく八幡の一貫した行動にスポットライトをあてたものだった。


結論から言ってしまうと八幡は雪ノ下との関係を陽乃さんに共依存だと言われる。
八幡は雪ノ下から頼られ、助けることで満足感を得ているのだということである。
正直、このシーンのインパクトは大きかった。
『依存』という単語がこの作品に出てきたのはおそらくこれが初めてというのも理由の1つだ。
しかしそれ以上に12巻のメインとなるプロムの依頼が出てくるまでの京華ちゃんを甘やかして川崎に怒られる話、小町が兄離れをする話、依頼が登場した後の一色に「過保護」と言われるシーンで強く印象付けた後に、応接室で八幡が雪ノ下に手を貸そうとする決定的な場面で陽乃さんが決定的な言葉をぶつける。

「・・・まだ『お兄ちゃん』するの?」


その後陽乃さんに共依存だと指摘される。
話の運び方が美しくこのための伏線だと考えると作者には脱帽する他ない。
よくよく考えてみると既刊でも八幡が世話を焼く描写はいくつか思い出せる。
こういう話の作りは本当に綺麗に思える。


ぼっちではなくなった八幡も結局のところ、根本的な部分は変わっていない。
そう印象付けられた。


あと、別にロリコンじゃないけど京華ちゃんの出番もうちょっと欲しかったです。ロリコンじゃないけどね。


由比ヶ浜結衣はずるいと言う

Interlude・・・

12巻の表紙は儚げな表情をした雪ノ下のイラストですが、本文では由比ヶ浜に焦点を当てた内容になっています。
理由としては、やはりこの2つ目、3つ目のInterludeの存在が大きいです。
前述もしましたがこの2つのInterludeは由比ヶ浜のものでしょう。
この作品で八幡ではない視点というのはとっても貴重で今回は由比ヶ浜の心情を読み解くことができる重要なものになっています。

由比ヶ浜が写真を見つけた時には鳥肌が立ちました。
おい、マジかよ。いや、本当に勘弁してくれよ。

写真が置いてあったのは雪ノ下が好きな可愛いぬいぐるみが置かれた一角。
明らかに大切にしているというのが伝わってくるのが逆に苦しい。
見つけたのが由比ヶ浜でさえなければ、「雪ノ下も乙女なところあるんだな。可愛いな(萌えブタ)」って言えてたのに。
ただただ胃が痛い。マジで。


由比ヶ浜は11巻の最後から何度も『ずるい』という単語を使っている。

具体的な言葉にはなっていないが由比ヶ浜は八幡に好意を寄せているのは事実だろう。
しかし、由比ヶ浜は雪ノ下と八幡が両思いなのだと思い込んでいるが故に八幡の気持ちを知るのが怖い。
もしかしたら認めたくはないのかもしれない。
聞いてしまったら認めざるを得ないから。

彼女の気持ちを聞くのはずるいことだ。
自分の気持ちを言うのはずるいことだ。
でも、彼の気持ちを知るのは怖いから。
彼女のせいにしているのが一番ずるい。

初めの「彼女の気持ちを聞くのはずるいことだ。」は雪ノ下は気持ちを聞かれれば否定することがわかっているので、それを知った上で聞くのはずるい。
次の「自分の気持ちを言うのはずるいことだ。」は雪ノ下の気持ちを知りながら八幡に気持ちを伝えるのは、所謂抜け駆けのようなものでずるい。
最後の「彼女のせいにしているのが一番ずるい。」は自分が気持ちを伝えない理由に雪ノ下の気持ちを利用していることがずるい。


優しく、人の感情に敏感な由比ヶ浜らしい考えで、雪ノ下のことを心から愛しく思っていることが反対に自分を縛り付けてしまっている。
本当にいい子だからこそ動けない状態になってしまっていることがわかる。
なんともいたたまれない。
文字数が綺麗に揃っているのもどこか気持ち悪く思えてしまう。

――本物なんて、ほしくなかった。

本物は言わずもがな八幡の欲しいといった本物でしょう。
由比ヶ浜は八幡と雪ノ下の間には自分との間はない何か、八幡の言う本物があることに昔から気づいている。
八幡の言う本物は『言葉にしなくても分かり合える関係』であり、由比ヶ浜は『言葉にしなければ分からない』と考えている。
この違いは決定的で、八幡と自分の間には本物は成り立たないと理解してしまっているが故に、「本物なんて、欲しくなかった。」。


自分の足で歩き始めた雪ノ下、人付き合いの意識が変化しつつある八幡、に対して何一つ変わっていない立ち止まったままの由比ヶ浜
由比ヶ浜は変わる必要がなかった言われればそこまでですが、ここは明らかな対比が見られます。
12巻では最初から最後まで由比ヶ浜にとって辛い内容に思えます。
あー、抱きしめてあげたい(童貞脳)。


比企谷八幡由比ヶ浜結衣の関係は

八幡と由比ヶ浜が小町へのプレゼントを考えながらショッピングをする場面。
八幡から誘ったということもあり、最高に微笑ましい場面ではあるがそれだけではないのが俺ガイル。

実際、手作りというアイデアは悪くない。貰った側の心に強く訴えかけるものがあるし、何よりも手間暇をかけてくれた事実に胸を打たれる。それが憎からず思っている相手ならば、なおのこと。
本当に、心が揺れる。

これが指すのは11巻の最後に由比ヶ浜がお礼として渡したクッキーのことだろう。
わざわざ、『本当に』と強調しているところからも他とは比較にならないほど八幡の心が揺れたのだと思う。

この場面や八幡が陽乃さんに奉仕部3人の関係を聞かれ、三角関係と答えたことから八幡自身も由比ヶ浜の好意に気付いていることがわかる。
人の言葉の裏を読む癖のある八幡にとっては素直に信じられないのも事実。
まあ、憎からずって言っているから脈ありみたいな感じなんですかね。
八幡、贅沢すぎません?(憤怒)


そして『心が揺れる』の正体ですが、大きく分けて3つ考えられるのかなと思います。

1.他人からの好意を素直に信じないと決めていた『心が揺れる』
2.雪ノ下に好意を寄せる『心が揺れる』
3.由比ヶ浜に好意を持つ『心が揺れる』

3つ出しましたが、可能性としては1が圧倒的。
2,3は似たようなものですし。
相変わらず情報が少なすぎるので次巻を待つしかない。


正直ここまでの12巻としては由比ヶ浜ルートに入ったなと思わせるような内容だったように思います。
でも、そのまま終わらないのが俺ガイル。



ラストシーン。
見開きの挿絵を含めたたった10ページです。
八幡と由比ヶ浜が小町へのプレゼントのケーキを作りに向かう途中、プロムの中止を知らされる。
八幡は平塚先生に電話を掛けた後、雪ノ下を助けるために走り出す。一人で。

平塚先生との電話で八幡がしっかりと言葉にしたのも印象的でしたが、個人的にはその前の平塚先生の「ごめんね」という台詞が好きですね。
いつもなら「すまない」と言いそうですが、より優しい印象を受けました。

「・・・そっか。でも、ヒッキーが行ってくれるなら、なんとかなっちゃいそう」
そして俺を肯定してくれるように、うんうんと大きく何度か頷いた。その拍子に、つっと、光る雫が流れた。それを目にした瞬間俺は息を呑む。けれど、俺が呆けるくらいに驚いたからか、由比ヶ浜も自身の目元に気づいて、すぐに頬を指で拭った。
「え、あ、なんか安心したら涙でてきた。びっくりしたー・・・」
(中略)
「やー、わかんないことだらけだったから・・・。なんかひとつでもわかるとほんと安心する。むしろ今だいじょうぶになった感じ」


12巻では涙がいくつかありますがこの由比ヶ浜の涙が一番重いものに感じます。
この場面で由比ヶ浜は自分との約束よりも雪ノ下を助けることを優先した八幡を見て、確信した。
八幡は由比ヶ浜よりも雪ノ下を大事にしていることを。
失恋に近いものだからこそ涙が流れてしまったのでしょう。
俺ガイルにしてはわかりやすい表現に思えます。

涙を流して明らかに普通ではない由比ヶ浜の気持ちを察することができないのがなんとも八幡らしい。完璧に悪い意味で。
涙を止める由比ヶ浜は本当にいい子(涙)。


Interlude・・・

そして畳みかけるように最後のInterlude・・・。

八幡を困らせないために涙を止めた由比ヶ浜
しかし、最後に『涙が止まらなければよかった』と思ってしまう彼女はずるいのだろうか。


感想

初めにも書きましたが11巻から12巻の間に約2年という長い期間がありました。
これに関しては様々な意見があるようですが、個人的にはどれだけ時間がかかってもいいから作者の思う最高の物語を書いてほしいと思います。私も昔は…(唐突な自分語りはNG)。


前述したように12巻では多くの涙が印象に残っています。小町、八幡、由比ヶ浜、雪ノ下も瞳を潤ませるような場面がありました。
だからなんだという話なのですが、涙を見せるほど感情を表に出したのかなぁと思います。
特に八幡は涙だけでなく、怒鳴る場面があり、かなり感情的になっていた印象です。
らしくないといえばらしくない。

雪ノ下の八幡に向ける感情も依存だけなのか、それとも。

また、出番の少なかった葉山ですが物語に雪ノ下家が関わってくることから彼が何かしらの行動を起こすのは確実でしょう。
その際にどのような立ち位置になるのかが気になりますね。


前までは八幡が最後には誰とくっつくんだ?という目線でこの作品の終わりを楽しみにしてましたが、12巻を読んだ後では登場人物一人一人がどのような答えを出すのかを見届けたいと考えてました。どうして考えが変わったのかはわかりません。もしかしたら歳を取ったからかもしれません(絶望)。


あとがきがない12巻だったのでわたりんファンの皆さんは涙を流していることでしょう。


つらつらと自分なりの考察はしてみましたが、これが合っているはずはなく正解なんてもの作者の中にしかないと思います。
また、考察ということで長く堅苦しい文章になってしまいました。
何とも自分らしくない。
読み終わったことですし、これから色々な人の感想、考察を読んで回りたいと思います。

Google先生で『俺ガイル12巻 感想』と検索をかけながら。

友人キャラは大変ですか?4の感想などなど

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友人キャラは大変ですか?4 表紙

今回は1月18日にガガガ文庫から刊行されました『友人キャラは大変ですか?4』を読了しました。
またしても途中からの紹介になってしまいました。

簡単に作品の紹介をさせていただきます。
4巻の内容にしか興味がないよって人はとばしてください。
友人キャラは大変ですか?は2016年12月20日に一巻が刊行され、このライトノベルがすごい2018では文庫部門28位、新作文庫部門10位、2017年新作ラノベ総選挙では6位にランクインしています。
話題の作品と言っても過言ではないでしょう。

著者の伊達康さんは第12回MF文庫Jライトノベル新人賞で佳作を受賞し、『瑠璃色にボケた日常』でデビューした作家さんです。
本シリーズからガガガ文庫にレーベルを移して活動されています。
ガガガ文庫MF文庫Jから引き抜きしまくってますね。
イラストの紅緒先生はサークルDontsugelでも活動されている方で、最近色々な作品の挿絵を手掛けています。

さて、作品の概要としては、脇役(友人キャラ)でいることを生きがいをとしている主人公がその立ち位置を守るために四苦八苦する話になっています。
一巻では独特の設定に加え、目まぐるしく変わっていく展開で飽きることなく読むことができる作品でした。
主人公と認めた相手が王道ストーリーを進むように誘導したり、容赦なくヒロインたちに突っ込んでいく脇役(主人公)がツボでした。
なによりヒロインたちが個性的で可愛いがすばらしい。
本当におもしろいから読んでくれー。

ではではこれ以降は読んでいる前提なので既読の方はそのまま、未読の方は読んでからをオススメします。

※以下ネタバレあり



4巻のあらすじからもわかるように子供を抱えたエルミーラさんを発見した小林が一緒に子育てをする話でした。
作中人物全員がシズマの虜になっていましたね。
その中でもツンデレを見せる魅怨は流石。
表紙の小林の顔やばすぎません?

エルミーラママ

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エルミーラママ

三巻の蒼ヶ崎さんに続き、四巻ではエルミーラさん回がやってきました。
三巻まではそこまで強い印象がありませんでした。
いや、BL好きという残念過ぎるキャラ付けがありましたね(絶望)。
BL好きのヒロインが人気出るわけにだろ!!!
と、思っていたのですが、エルミーラさんのBL好き発言では何回か笑わせてもらいました。
よくよく考えてみると、エルミーラさん自体は小林にべったりなのでBL好きなんて関係ないのでは?

小林との「え?何か言ったか?」のくだりは最高でした。

エルミーラママといいつつもそこまで母性を出してはいなかったような…。
やっぱりエルミーラさんはがさつで堂々としている方が映えるのでこれはこれであり。

そんなわけでこの巻でエルミーラさんが好きになれたのは大きな収穫でした。
あとは雪宮さんだけ。

忌綺お姉ちゃん

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忌綺お姉ちゃん

四巻でエルミーラさんの次にスポットが当てられていた忌綺。
自分ではシズマの姉になるのだと言っていたが、大人びたエピソードはなったくなくいつも通り怪獣のソフビで遊んでた。
まあ奈落の三姫の役割分担的にナイス判断。

戦闘面では最高の活躍を見せてくれた。
そして二つ名はまさかの暴将。
この二つ名はもっと敵キャラが名乗っててもよさそうだけど、そこを外してくるのがこの作品だなと再確認。
本当にこの作品はいい意味で予想を裏切ってくれる。

どうでもいいけど忌綺って変換で出すのめんどくさい。

ズンドコ小林

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小林一郎

生命力がズンドコ過ぎて魔人二人の器になることに成功し、作中最強になってしまった小林。
巻が進むごとの脇役離れに加え、敵であるキュウキにまで主役になってしまえと言われる始末。
こいつはどこに向かっているですかねえ。

個性の強いキャラがたくさん出てくるこの作品の中でも一番強いのは小林だと思う。
誰に対してもツッコム姿勢がめっちゃ好き。

母性の王魅怨

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魅怨ママ

まじで母性の塊。
一巻の時から思ってたけどマジでオギャりたい

魅怨は絶対作者のお気に入りキャラだぞ(絶対とは言っていない)。

蒼ヶ崎おっぱい

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蒼ヶ崎怜

おっぱい

これは冗談とかではなくマジでおっぱいしかいうことがない。
まあ前回大活躍だったからしょうがないね。

龍牙×呪理

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龍牙×呪理

まさかの組み合わせでのご褒美シーンがあってびっくり。
あと龍牙のコスプレシーンはどこいったんですか?(威圧)

シズマきゅん

男の子なので特にいうことはありません。

強いていうなら今度いいところで駆けつけてくれそうで楽しみだけど、黒がいるからどうなることやら。

マジ黒亀こいつ

小林的にはくっそイラつくとは思うけど、黒亀のおかげで成り立っている作品だからなんか憎めない。
こいつは絶対に落ちないでくれ、落ちたら作品が終わる。

変なフラグを立てる雪宮

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雪宮

まさかトウテツとのフラグが立つとは思わなかった。
この巻で一番驚いたかもしれない。
好感度が蒼ヶ崎<トウテツなのは草。

そしてそして作中で小林も言ってたけどヒロインズメイン回最後の彼女はとんでもない爆弾を持っているという。
周りの反応的に家族が絡んできそうな展開ですね。
まーた小林の外堀が埋められていくのか(呆れ顔)。

感想

まあそんなこんなで4巻はストーリー的に大きな変化はありませんでした。
次への巻の繋ぎのような印象ですね。
しかし、キャラたちの関係性などの変化はあって様々なキャラの絡みを見ることができた気がします。

次の巻では魔人二人との対決になるんでしょうか?
この展開も王道と言えば王道ですね。
やるじゃん小林。
キュウキよりも最後に出てきたトウコツとのエピソードを先にやるような雰囲気はありますね。

次巻に求めるのは雪宮さんの可愛さただ一つです(萌え豚)。
4巻では龍牙の出番もそこまで多くなかったので次では増えるんですかね?
杏花ちゃんが今後ストーリーに絡んでくるかも気になりますね。
この作品ヒロイン多すぎなんだよ!!!(満面の笑み)


それでは今回はこの辺で失礼します。
またお会いしましょう。
これ週一更新が最適なのでは?

編集長殺しの感想などなど

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編集長殺し表紙

今回は12月19日にガガガ文庫から刊行された『編集長殺し』を読了しました。
タイトルの物騒な感じとは反対に笑いながら読めるような作品でした。

作者は『人生』などで知られている川岸殴魚先生です。
あとがき芸人でもあります
川岸先生はガガガ文庫の情報番組である月間ガガガチャンネルに頻繁に出演されています。
作品が面白いのはもちろんですが、先生自身も頭の回転が速く、とても面白い方です。
ガガガチャンネルはニコニコ生放送でやっているので気になる方はぜひ見てみてください。
MCは声優の天海由梨奈です。可愛い(最重要)。

さて、作品の話に戻りますと本作品はライトノベル編集部を舞台にしたコメディ作品になっています。
最近、有名ラノベ作家の新シリーズはラノベ作家ものが多すぎますね、まったく困っちゃいます(もっとやれ)。
新人編集者の川田桃香を中心に恐ろしく理不尽な編集長の諸行やまるで実話のような編集部の(だらしない)できごとなどが面白可笑しく書かれています。
あくまでフィクションですよ(流し目)。

本作品の珍しい点は名前でもわかるように女主人公なところです。
というか編集者は全員女性になっています。
個人的な好みになってしまいますが私は女主人公のラノベはあまり読まない方です。
同じような人も多いと思います(決めつけ)。
そんな人はこの作品を読んでみてください。
美少女ながら残念で欠点だらけな登場人物たちの物語は本当に面白くあっという間に読み終わってしまうと思います。

ではではこれ以降は読んでいる前提なので既読の方はそのまま、未読の方は読んでからをオススメします。

※以下ネタバレあり




本作品は個性的な登場人物が魅力になっているので今回はそこに焦点を当てて進めていきます。
当然のように全員美少女ですが、ライトノベルの編集部員はほぼほぼ美少女しかいないのは、ラノベ読者にとっても半ば常識だから仕方ない(洗脳済み)。
公式のブログにキャラ設定の画像があったので使わせてもらってます。

健気な川田

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川田桃香

先ほども紹介しましたが主人公の新人編集者。
簡単に言うとラーメンを研究した結果、湯豆腐にたどり着くような女の子です(無情報)。
本作品は川の字(川田ちゃんのあだ名)の一人称視点で話が進んでいくのですが、地の文も全て敬語で真面目さが伝わってきます。
敬語女子最高。
下ネタが苦手なのも高評価(ゲス顔)。

他の編集部員たちが個性的過ぎるため、いじられる側になっています。
いやマジで他の登場人物が濃すぎる(褒め言葉)。

性悪説編集長

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編集長

大人ばかりの職場に潤いを与える純粋ロリ、
ではなく、数々の名言(悪口)を残す金髪ロリ。
登場人物の中でダントツで性格が悪い上、ギャップのような萌え要素が入る隙を与えない程にクソ編集長。
ここまでひどいと一周回って好きになるような気がしなくもなくもない(しない)。

唯一、可愛いらしいと思えたのはラーメン屋にいくと聞くとジャージに着替え、準備運動を始めたところである。
あれ?これただのおっさんじゃね?
まあこれも紹介するラーメン屋でその人の人間性を判断するというおそろしい考えに基づく行動なんですが…。

見た目がロリな理由は諸説あるらしいが個人的には、編集長からの暴言に耐えかねた編集部員たちの「編集長がロリだったら許せるのになぁ」という思いが募り、編集部員が編集長を見るとロリの姿に見える(それ以外の人にはロリに見えない)説だと思う。
本編の最有力の説と似てる感じ。

人気の出にくいキャラだが、この編集長への不満が物語を作っていくため必要不可欠な存在であるのは確か。

新ジャンル美少女岩佐

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岩佐彩芽

肝臓が弱いタイプの美少女という謎属性を編集部員で漢方薬信者。
本当に意味不明。
まあ理由なく肝臓が弱いわけではなく、編集長のせいで溜まったストレスを発散させるためにハイボールを飲み過ぎたらしい。

口癖は「死ぬよ」で、川田ちゃんが真面目さを見せるたびに言っている。
肝臓が弱いので謎の説得力があるのがなんとも言い難い。

個人的に一番印象に残っているのは、新人賞作家との下りで
ずぶ濡れで現れた受賞作家を見て、「ギリセーフね」
受賞作家がアニメのキャラTだったのを見て、「ギリセーフね」
盗作ではないかと聞かれて慌てる受賞作家を見て、「ギリセーフね」
うん、大体セーフみたいですね。
岩佐ちゃんなら作家からセクハラしてもセーhうわなにをするくぁwせdrftgyふじこlp

十分すぎるほどに尖ったキャラだが他の登場人物に比べると常識のある頼れるキャラになっている。
オギャりたい


残念系井端

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井端さくら

ただのオタク。
正確には重度のオタク。

必ず「~なんよ」「~ンゴ」が語尾に付く。
ラノベのキャラでこんな感じの話し方まで典型的なオタクに寄せているキャラって人気出にくいのでは?と考えたけど、こういう子が急に普通の話し方になる展開を想像して考えるのをやめた(萌え豚脳)。
なお本作では一貫してオタク口調のままな模様。

感情を失った浜山

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浜山かんな

一番の被害者。
加害者はもちろん編集長。

編集長に怒られすぎて痛みに鈍感になったらしい。
まるでどこかのお兄様みたいですねえ。

過去の真面目だった頃を見てみたい。

どうでもいいけどしっかりものの妹がいそう

毒使い星井

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星井菫

得意技は毒殺。
まじで。

岩佐と同じで頼れるキャラだが腹黒なせいで岩佐の方がしっかりとしてる印象。
二日酔いでみんなと同じようにダウンしてたし。

始めのキャラ紹介で『すぐ脱ぐ』って書いてあるのに、作中で一回も脱いでないんですけど!
許さん(過激派)。

一番出番が少なかった気がする。

感想

初めて川岸殴魚先生の作品を読ませていただきましたが、楽しく読ませていただきました。

作中には伏字が何度か出てくるんですが、パロネタの時の伏字の他に編集長のひどいセリフがほとんど伏字になっているんですけど、ちゃんと考えたうえで伏字にしてるんですかねえ。
自分だったら「とりあえず伏字にしとけばええやろ」みたいな考えをしてしまう。

そしてなんといってもやっぱりあとがきが秀逸だった。
自分はあとがきも含めて一冊の本だと考えているのですが、良い意味で期待を裏切るあとがきになってました。
この一冊の中でタイトル→あとがきが一番のオチなのでは?

重ね重ねになりますが、本当に面白くすらすらと読めてしまう作品でした。
コメディなので頭も使いません。
まだという方はぜひ読んでみてください。

では今回はこの辺で失礼します。
二回目にして二週間ぶりの更新になったことに驚きながら

ようこそ実力至上主義の教室へ7.5の感想、考察などなど

[ようこそ実力至上主義の教室へ][よう実][ライトノベル][ラノベ][ネタバレ][感想]

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ようこそ実力至上主義の教室へ7.5巻表紙

今回は1月25日にMF文庫Jより刊行されたようこそ実力至上主義の教室へ7.5巻を読了しました。
最初の紹介が7.5巻になってしまいましたが、もちろん既刊も全て読んでいるので気が向いたらブログで書こうかなと思います。


それはさておき、7.5巻ですが初回ということで不要かもしれませんが簡単な作品紹介です。
ようこそ実力至上主義の教室へ、略してよう実は2017年にはアニメ化もされ、このライトノベルがすごい2018では文庫部門19位にも入っている人気作品です。
著:衣笠彰梧、イラスト:トモセシュンサクのコンビはゲーム『暁の護衛』でも有名です。
ジャンルとしては学園頭脳バトルといったところでしょうか。
高度育成高等学校という仕掛けのたくさんある舞台と実力がありながらも能動的ではない主人公、綾小路の存在が作品独特の魅力になっています。それと当然ながらヒロインたちが可愛い。


作品紹介はここまでにして7.5巻の感想ですが、
軽井沢かわえええええええええええええええええええええ」
以上です。
冗談です。
実際に、表紙からもわかるように本作のメインヒロインに昇格した軽井沢恵がメインの話がほとんどでした。
4.5巻以降、軽井沢の快進撃がすごい。いやホントに。

内容としてはあとがきにも書いてあったように7巻の補完になっています。
ナンバリングとしては短編集的ような扱いになっていますが、4.5巻と同じようにストーリーに大きく関わってくる展開や伏線などがありました。
ホントこの作品、伏線張りすぎなんだよなぁ(褒め言葉)

ではではネタバレありの感想をしていきます!

※以下ネタバレあり

一歩前に進んだ軽井沢

この巻では冒頭40ページが軽井沢視点でのエピソードになっています。

Cクラスとの屋上の一件から一晩明けて軽井沢の心境の変化が描かれてます。
「清隆のせいでどん底に落ちたけど清隆が救ってくれた」とか、
「清隆はなんで心配のメールもよこさないのよ」とか、
「清隆はもしかしてイケメンでモテる系の男子なのでは?」とか、
「清隆に身体を触られたんだよね」とか、
うん、だいたい綾小路の事ですね。
軽井沢は「ないって」と言ってますが完璧に落ちているように思います。
どん底の次は恋に落ちたのか

綾小路に気のある佐藤からの相談を受け、もやもやした気持ちになるツンデレの可愛らしい一面だけでなく、佐藤が綾小路と付き合ったら自分が必要無くなるのではと不安を覚えたり、平田との関係を続けるべきなのかなど、自身の今後についても考えている描写もありました。
成長したなぁ。

とにかく軽井沢がとんでもないヒロイン力を見せてきているのは間違いないです。
本当に可愛い、水筒マンは見習って。

坂柳の動向

最近登場頻度が少しずつ増えてきたAクラスのリーダー坂柳。

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坂柳有栖

今回も少しだけ登場。
ケヤキモールで綾小路と偶然出会った彼女は相変わらず短いながら情報量のある会話をしていました。

坂柳は自分を生まれながらの天才、綾小路を作られた天才と言って戦いたくてしょうがないようです。
強者と潰したいドラゴンボーイと変わりないですね。
龍園のことをドラゴンボーイって呼ぶのが個人的にツボ。

7巻で一ノ瀬と一緒にいる場面がありましたが、その理由についての説明をしています。
話術を用いて、一ノ瀬本人から秘密を聞きだし、いつでもBクラスを潰すことができるとドヤ顔をしてました(してません)。
つまり、一ノ瀬の200万以上のポイントの謎、もしくは中学時代の長期欠席の理由のどちらかは知っているのでしょう。
3学期になったらすぐにでも潰せると言っていますが、生徒会にも入っている一ノ瀬は今後の重要なキャラになってくると思うので簡単には負けたりしないような…、全く予想できないので度肝を抜く面白い展開が待っているんだろうなぁ(プレッシャー)。

ついでのようにクラスの神室真澄ちゃんも出てきました。
サイドテールで坂柳に対しても強気な口調のAクラスの女の子、過去にも綾小路と接触していましたが坂柳にバレていた模様。
坂柳によると彼女が坂柳に握られている弱みと一ノ瀬の秘密は似ているらしい。
真澄ちゃん結構好きなキャラなので出番増えるといいなぁ。

Bクラスの生徒のその後と綾小路との関係

綾小路は映画館で偶然伊吹と出会います。

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伊吹澪

女の子とのエンカウント率はさすがラノベ主人公。

伊吹は毎回ヒロインっぽいシチュエーションで登場しているけど、どちらかというと悪友のような。
もちろん今回も胸キュンエピソードではなく、綾小路との戦闘。
綾小路は負けを認めない伊吹に対して勝ったら今度一切関わるなと条件をつけ、危なげなく勝利。
しかし、綾小路はこれで縁が切れるようなことは無いだろうと感じる。

綾小路が感じたように、もはや主要キャラと呼んでも差し支えない伊吹を退場させるようなことは無いでしょう。
今回、綾小路が伊吹のことを澪と呼ぶ場面もあったし、ヒロインとして復帰の可能性(ないです)。

どうでもいいけど、伊吹の映画鑑賞という趣味が発覚したけどなんかの伏線だろうか(違います)。


次は綾小路とドラゴンボーイの接触です。

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龍園翔

この巻で一番意外でした。

綾小路は早朝に龍園を呼び出して交渉を始めます。
簡単にいうとAクラスがBクラスを潰すからCクラスは隙をついてAクラスを潰してくれないかというもので、それが実現すればDクラスはAクラスに上がることができるというものです。
まあ龍園も簡単に頷くようなことはしませんが、綾小路が障害となる櫛田を退学させると宣言すると興味を持つようになります。

綾小路は龍園は8億ポイントを集めクラス全員をAクラスにすることは無理だと言いますが、龍園には明確なビジョンがあったようで、全校生徒480人全員から月20万ポイント搾取すれば、1ヵ月で1億、8ヵ月で目標の8億は集まると言います。
否定する綾小路も龍園の得意げな表情を見ているうちに成功率5%以上の戦略があることに気付くようです。
どのような戦略かは話していません。
まーた、新しい伏線かよ(歓喜)。

結果、龍園はCクラスがAクラスを潰しにかかり、Dクラスには攻撃しないように金田、椎名に根回しすること。
綾小路はAクラスにあがったなら、龍園の8億ポイント集める戦略に協力すること。
この二つが交わされました。

過去の敵との協力関係は王道で熱い展開ですね。

堀北兄との取引

綾小路は龍園との密会に元生徒会長の堀北兄を呼んでいて、屋上の件の見返りとして現生徒会長の南雲を止めることについての情報交換を始めます。

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堀北学

龍園は概要だけを聞いて早々に退場。

生徒会メンバーの紹介と南雲は反抗する生徒を退学に追い込み2年を掌握していること、二年生で唯一南雲へ対抗する生徒がいることなど必要な情報が綾小路に伝えられる。
堀北兄は南雲とは考え方が違うらしく、彼を止めたいらしい。

ついでに堀北妹の話も少し、堀北兄は意外にも妹の能力は高く評価しているらしい。
堀北妹の悪いところは堀北兄を終着点にしていることで綾小路も気付いているようだが、…読者としては何言ってんだこいつら(鼻ほじ)。

龍園に続き堀北兄、強キャラ同士の会合は伏線ばっかりで面白い(理解しているかは怪しい)。

ポンコツ堀北とヒロイン佐倉

綾小路は堀北兄との会話の流れから堀北妹を生徒会に入れようと連絡を取ります。
出先にいるらしい堀北を探しに行くと意外なことに櫛田と二人きり。

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堀北鈴音

綾小路は堀北兄が堀北妹の生徒会入りを望んでいるというが、まったく信じることはなく、櫛田の協力を得て兄に電話をすることに。

電話中は他人行儀で緊張している様子の堀北が見られます。
このポンコツ具合がいい味出してる気がします。
アニメのくすぐりシーンは最高でした!

結局、兄が生徒会入りを勧めているのが(綾小路と堀北兄が裏口を合わせただけの)事実だと知った堀北だったが生徒会に入ることは自分のためになるとは思わないと言い、綾小路の思い通りにはいかず。


次は佐倉の出番ですが、クリスマスイブの夜に綾小路にプレゼントを渡すだけです。

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佐倉愛里

本当に一瞬の登場ですが、しっかりと役割は果たしていったように感じます。

佐倉はキャラの性質上難しい話に入ってこれないのが厳しいところですね。
けど綾小路グループのおかげで最低限で出番は保障されているような気がします。


以上、堀北、櫛田、佐倉の登場シーンは一か所だけで、それもあって軽井沢のヒロイン力の差が顕著になっていますね。

平田とのWデート

綾小路と佐藤、軽井沢、平田でのWデートをすることに。

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平田洋介、軽井沢

デートの中で綾小路が一番信頼を寄せているのが印象的だった。
地の文で「ナイス平田。凄いぞ平田。イケイケ平田っ」と綾小路らしくないところも。

道中の会話で軽井沢が綾小路に意地悪な質問や綾小路の印象を下げようとする場面が何度かあり、拗ねている軽井沢も可愛かったです。
綾小路が困っていると平田がサポートして会話を円滑に進めているようでした。

生徒会メンバーに遭遇する場面もあり、南雲は綾小路にすでに目を付けていることがわかる接触でした。
危うい雰囲気になるも、ここでも平田がサポート。
平田有能。

綾小路が御守を拾った先輩も出てきましたが絡んでくるようなことはありませんでした。
彼女には年上ヒロインとしてこれからの活躍に期待です。

デートの最後には佐藤が綾小路に告白しますが、残念ながら答えはNO。
断った理由には軽井沢のことがあり、佐藤と付き合うことで軽井沢が使えなくなってしまうリスクを考えたようです。

綾小路は告白を隠れて聞いていた軽井沢に断った理由に軽井沢が関係していることと伝えます。
話が性的な方になると照れて怒る軽井沢が可愛い。まじで可愛い。

対南雲への動き

佐藤の告白の後、軽井沢を連れて南雲に反抗している唯一の二年生のもとへ向かうことに。
出てきたのは生徒会副会長桐山だった。

桐山は綾小路に対して高圧的であまり良い印象を受けなかった。
元Aクラス、現Bクラスらしいが一年Aクラスの弥彦のようにポンコツ臭がする。
けどバックに堀北兄がいることから有能なはず。

軽井沢に今後の説明をしながら、桐山からの情報を受け取ると桐山は早々に立ち去っていく。

残った綾小路と軽井沢
パートナーだと言われ照れる軽井沢
ツンデレを発動しながらプレゼントを渡す軽井沢
平田と別れる許可がもらえて嬉しい軽井沢
恵と名前を呼ばれて赤面で慌てる軽井沢
実は心配されていたと知り喜ぶ軽井沢

このヒロイン可愛すぎません!?

最後には綾小路の「友人…いや、それ以上の存在として変わっていける気がする」という始末。
メインヒロイン確定ですね。

感想

初めにも述べましたが内容としては7巻の補完と次巻への布石と言ったところでしょうか。

しかし、軽井沢の可愛さが存分に生かされた素晴らしい巻になっていたと思います。
本当に可愛い。

不安要素があるとするなら綾小路でも自爆覚悟の攻撃には対処できないとのことなので、そこで軽井沢を犠牲にするような選択を取る可能性があるところですね。
最後の台詞からないことを祈りたいですが。

Cクラスとの交流も多めに描かれていましたが、今後Cクラスのリーダーになるであろう椎名ひよりには期待ですね。
ヒロイン要素的にも。
彼女の存在は綾小路と龍園の結んだ交渉を助けるような気がします。
金田?まあ頑張ってくれ。

3学期では学年の壁を越えた試験が待っているそうなので、次巻ではそれがメインでしょうか。
対南雲前哨戦といったところでしょうか。
もしかしたらAクラスvsBクラスや、一ノ瀬の秘密についても掘り下げられるかもしれません。
楽しみで仕方がありませんが、発売まで他の作品を読んで待っていようと思います。


それでは最後まで読んでくださった皆様ありがとうございました。
読んでいない方も興味が沸くように書いたつもりですが、本作品の面白さの1%も文字にできていません。
(軽井沢が可愛いしか言ってなくね?)
なのでぜひ読んでいただき、感想を交換できればなと思っています。

それでは。

寒さに震えながらコーヒーを啜りつつ。