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ジャナ研の憂鬱な事件簿4の感想などなど

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今回は2018年8月にガガガ文庫から刊行されました『ジャナ研の憂鬱な事件簿』の感想です。
自分はついつい本を積んでしまうことがあるのですが、ジャナ研は1巻から一度も積むことなく発売してからすぐに読んでいます。
人間の綺麗ではないところをきちんと描く作品で切なさや遣り切れなさ、様々な考えが交錯する内容が特徴的です。
決して続きの気になるような話の展開ではないのですが、独特の雰囲気と魅力的なキャラクターが原因ではないでしょうか。
勝手にジャナ研って略称使ってるけど正しいのか?


初紹介なので毎度のことながら作品紹介です。興味ないよって方は飛ばしちゃってください。
ジャナ研の憂鬱な事件簿は2016年の第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した『翡翠琥珀』の題名を変えたものです、だと思います。(間違ってたら恥ずかしい)
受賞時と題名が変わることって結構あるけどどうなんだろうか。
翡翠琥珀』もおしゃれでいいのではと思ったけど、『ジャナ研の憂鬱な事件簿』の方が伝わりやすい。
著者の酒井田先生は本作がデビュー作でガガガチャンネルにも出演されてました。
一度きりだったことを考えるとやっぱりガガガチャンネルって…。
イラストの白身魚先生は説明不要でしょう。
白身魚先生のイラストホント好き。


ジャンルはハードルが高いことで(私の中で)有名な学園ミステリーです。本作品は投稿作ながらしっかりとハードルを越えてくれました。
てか何度も改稿はしていると思うのですが投稿作なのに完成度が高い。
対象作品全てに言えることですが無修正の原稿を読んでみたい。


個人的には物語を比べる必要はないと思うのですが、学園ミステリーという題材に加え白身魚さんのイラストと聞くとアニメ化もした某人気小説を連想してしまう方もいると思います。私も同じ事を考えましたが、今では似てはいるけど違う作品だとはっきり言えます。

学園ミステリーと銘打っていますが2巻以降は事件の規模が大きくなっていき、不通に学園の外に飛び出しています。
学園ミステリー(事件が校内で学園でおきるとは言っていない)
になってます。

何かと自分語りが多くなってしまいました(オタクだからしょうがないね)が、今回紹介する4巻のあらすじはこちらです。

彼女はもうジャナ研に来ないかもしれない。
彼女はもう、ジャナ研に来ないかもしれない――。新鋭が書く、爽やかで切ない日常系ミステリー第4弾。

写真部から、金賞を獲得した被写体の金魚が盗まれた。居合わせたジャナ研の面々は、真犯人を見つけようとする。(「金魚はどこだ?」)
介護施設で、とある老人の部屋が荒らされた。啓介は手がかりを探るうちに、あまりにも切ない真実にたどりつき……。事実の公表を巡って真冬と意見が分かれるが、互いにどうしても引けず、そのままぎくしゃくしてしまう。(「スウィート・マイ・ホーム」)
真冬がジャナ研の部室に姿を見せなくなってから1か月以上が経った。交通事故に遭ったユリもしばらく学校を休んでいる。そんなとき、啓介はA棟の空き教室で「女の幽霊を見た」と後輩から助けを求められる。 (「ジュリエットの亡霊」)

身のほどを気にして、傷つかない道を選ぶのは間違っているのか? 綺麗なだけではない真実を暴くのは、正しいことなのだろうか?
真冬の卒業を数か月後に控え、人間関係が大きく動く最新刊!


ジャナ研の憂鬱な事件簿 (4) (ガガガ文庫)

ジャナ研の憂鬱な事件簿 (4) (ガガガ文庫)


啓介と真冬の関係が良い方向に進むと思いきや今までの話でも感じられた二人の思想のズレが表面化してしまうようですね。


ヒロイン白鳥真冬

正直なことを言うとこの白鳥真冬というヒロインについて書きたくてジャナ研の記事を書こうと決めました。
ここだけは読んでくれ!!!

黒髪ロング眼鏡とどこかおっとりとしたか弱そうな、儚い印象を受ける顔立ちの彼女はその印象通り優しい性格なのですが、実は高身長で読モ経験があったり、人からの意見をしっかりと受け止めることができる芯をもった少女です。
1巻を読んで白鳥真冬という少女を知ったときは本当に驚きました。

「なんだこの美少女は?!こんなん好きになるに決まってるだろ!!!いい加減にしろ!」

と言いたくなりました。いや、実際に言いました。今まで出会ったことがない魅力的なヒロインなのに言葉で表すのは難しい彼女ですが、無理やり文字にするなら

手の届きそうな場所にいるのにそのわずかな距離が決して埋まることのない存在

目には見えているのに住んでいる次元が違う存在

のような少女です。
まあ実際に次元は違うんですけどね(うまい)


長くなってしまったのでここまでと言いたいところですが、今回はオンリーワンな彼女を紹介するために書いているのでまだ続きます。
興味のない方も読んでください、読め(過激派)

ここで白鳥さんの属性を紹介します

 ・先輩
 ・眼鏡
 ・黒髪ロング
 ・高身長
 ・お嬢様
 ・元読モ
 ・頭脳明晰

普通、これだけの属性を詰め込んだら方向性が安定せずロクなキャラにはならないでしょう。ましてやメインヒロインなんて務まるとは思いません。
しかし白鳥真冬は魅力的なヒロインとして成立しているのです。
著者の酒井田先生は男子校出身らしいのですが、疑いたくなってきます。むしろ男子校出身だからこそこれほどのヒロインを誕生させられたのかもしれません。(男子校disではありません、決して男子校disではありません)

この作品では啓介と白鳥さんの恋愛模様も描かれています。出会いから始まり、部活で共に活動をしていく中で徐々に惹かれあっていく様子がなんとも…
お互い頭の回転が早いのですが、恋愛のこととなると不器用になるのが高校生らしくて現実味を感じさせます。


金魚はどこだ?

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突然消えた写真部の金魚を探す話。
学園ミステリーらしい話でした。
高校生の行動を理解したうえで作られた完成度の高い話だったと思います。

この作品に出てくる女性陣、真冬、ユリ、由香子、全員芯のある子だなあ。
この短編で出てきた写真部の玲ちゃんも目的のためには周りを気にしないようなこだし。
作者の好みだろうか。

スウィート・マイ・ホーム

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老人ホームの紳士の身元を突き止める話。
内容自体スッキリする話ではないが、ジャナ研では日常茶飯事。

今までは声だけの登場だった真冬の母親との会合。
予想通りの美人設定だった。
というかヒロインの母親を美人にしないメリットがないんですよね。

啓介と真冬の考え方のズレを浮き彫りにするための事件だとは思うけど単純に完成度が高い!!!
こういうところが面白く読める要因なんだなあ(しみじみ)。

ジュリエットの亡霊

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玲ちゃんがまさかの再登場。彼女の見てしまった幽霊の正体を解明する話。
ジャナ研は各章に入る時、サブタイとイラストの見開きページがあり、この短編では↑の激カワユリが前面に押し出されたイラスト。
加えて幽霊騒ぎでポップな展開かと思いきや相変わらずの重い展開。
ふざけんな酒井田ァ!期待を返せ!!!

文句は言いましたが、青春群青劇あるあるの取り返しのつかない残酷な展開はめっちゃ好みなので普通に楽しく読めた。
今までの数ある事件の中でも一、二を争うほど身近に感じることができる話でユリへの感情移入がすごかった。
それ以前にユリの生き方がかっこよすぎるんだよなあ。

3つの短編だと事件としては金魚が一番学園ミステリーらしい話だったけど、人気があるのはこのジュリエットかなという印象。


さっき金魚はどこだ?の時に本作の女性陣は芯があると言いましたが、その中でも一番我を貫いているユリの心が揺れてしまったのには青春群青劇らしいと思いつつも、衝撃を受けた。


周りの意見なんて気にせず常に自信に満ちているユリが最後に見せた切なげな表情に全て持っていかれた。
抱き締めて殴られたい、殴られるのか(困惑)


全体を通して啓介と真冬の考え方のズレから関係性の変化が書かれていたけど、4巻のヒロインはユリではないかと思わされるほど印象に残る話だった。


各々の信念を曲げなかった結果、対立してしまった二人。
信念を曲げず理想を掴みかけたのに理不尽によって奪われ信念が揺らいだ少女。

こうみると4巻ではキャラについて改めて深掘りしているように思えますね。

そしてあの終わりかたはずるい。真冬もそうだけどユリの台詞についても掘り下げたいところだけど!やはり読み込みが浅すぎて難しい。

感想

ユリをひどい目に遭わせやがってふざけんな酒井田ァ!!!(全国共通意見)
ホントに読み終わると頭に残っているのはユリのことだけだった(萌えブタ)。
5巻の記事ではユリ考察の長文を書いてしまいそうな予感。
冗談はさておき、別に冗談ではないけど、あらすじの通り人間関係が大きく動いていました。
まさに青春群青劇って感じでしたね。

元々この作品は学園ミステリーの裏に青春群青劇の要素を含んでいるので、考察のしがいがあるのですが自分の読み込みが浅いこともありそこまで踏み込むことができませんでした。
なのでこの記事を読んだジャナ研既読者は考察の記事を書いてくれ、未読者はジャナ研を読んでから考察記事を書いてくれ(丸投げ)。

次の5巻ではこの不穏な雰囲気は解消されるのだろうか。それともまだ引きずるのか。
とちらにしても楽しみですね。
それではまた。

ラノベ作家ギャル好き多くね?