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弱キャラ友崎くんLv.6の感想、考察などなど

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6巻表紙

今回は2018年5月18日にガガガ文庫から刊行されました『弱キャラ友崎くん Lv.6』を読了しました。
当たり前かのようにシリーズ途中からの紹介になります。

ラノベの数々の賞を受賞している『弱キャラ』ですが、一応作品紹介をしておきます。
本作は第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作で、このライトノベルがすごい!文庫部門では2年連続トップ10入り、さらに新作ラノベ総選挙2017では2位にランクインしています。
5月中旬からTVCMが流れているようです。
CVは我らが松岡君と戸松さんです。ゲーム強そうですね。

著者の屋久ユウキ先生は陽キャ感が溢れ出ている方です。
デビュー作でこんなに話題になっているなんてすごいなあと思います(小並感)。
イラストはフライ先生はライトノベルの挿絵を数多く手がけていて、最近だと雑誌コミック百合姫の表紙やP.A.WORKS制作の2018年秋アニメ『色づく世界の明日から』のキャラクター原案をすることが発表されています。
『色づく世界の明日から』めちゃくちゃ楽しみです。
iroduku.jp


作品に話を戻しますとジャンルとして公式が銘打っているように『人生攻略ラブコメ』がしっくりきます。
主人公が自分から変わることを望む展開は最近ではよく見ますが、『弱キャラ』発売当初は珍しい分類だったと思います(うろ覚え)。

個人的な意見ですがこの作品は限界まで現実に近づけているように感じています。
もちろんフィクションならではの展開のないことはないのですが、クラスの雰囲気や主人公の考え方など誰もが一度は経験したことのあるような場面が多く、物語に入り込まされる作品だと思います。
あと1巻のラストの思わせぶりなシーンがスーパーアルティメット好みなのでぜひ読んでくれ(読んで)。

そんな本作品ですが5巻が大きな節目になっていると感じています。第一部完みたいな感じ。
パーフェクトヒロインこと日南がおそろしい手腕を見せてクラスの空気を自在に操ってみせた5巻から一転、6巻ではラブコメ要素の強い巻になっていました。
表紙のみみみはもちろんのこと、天使の生まれ変わりである風香ちゃんの出番も多かったです。


ではではこれ以降は原作を読んでからをお勧めします。

※以下ネタバレあり




友崎、ギャルゲー始まる

「――風香ちゃん、みみみ、優鈴、花火。そのなかであなたがいま付き合いたいのは、誰?」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.56

贅沢すぎるんだよなあ。
いや、ホントに贅沢。しかも2人は攻略途中なんだよなあ。
しかも2人も選んでいいという。
こいつ半年前まで陰キャだったんだぜ。
って感想です。読んでいる人ならこれには賛同してくれるでしょう。

その後の日南の「それとも――私?」で死んだ同志は多いはず。

友崎は6巻ではまだ答えは出していませんが、日南は置いといて、優鈴は彼氏持ち、たまちゃんは友崎とは師弟関係、と考えると消去法でみみみと風香ちゃんになるのかなって感じです。

一見、甘く軽そうな課題ですが友崎の考え方が垣間見える、作品にとって重大なポイントになっています。


インスタ…

フォロワーが3000人いる一般女子高生とは。
日南さんマジぱねえよなぁ!?
竹井、いいキャラだよね。

SNSを通して自分の地位を確立したり、交友関係を広げていくのはまさに今時の高校生といったところ。
正直今の高校生のインスタ利用率ってどのくらいなんですかね、と思って調べてみたら4割以上らしい。
現実でも本作のように陽キャがやっている感じでしょうか。

自分は日南と出会わない限りやりません。
日南次元を超えて人生攻略を手伝ってくれ(血涙)。


文化祭といえば演劇

あらすじからもわかるように6巻のメインイベントは文化祭です。
友崎は過去の文化祭を早退していたという思い出話で、文化祭中空き教室で寝ていたことを思い出させられました。つらい。

それはさておき、友崎が実行委員に。そして風香ちゃんの演劇の脚本。
2人でいることの多い友崎と風香ちゃんですが、校内の図書室以外場所では初めてでは。
なんかこの2人はお互い通じている雰囲気があっていいですよね。
あと風香ちゃんと遭遇するたびにカンストする友崎の語彙力。お前誰やねん。

演劇の主役が日南、たまちゃん、紺野なことには不安を隠しきれません。
日南の怒りが収まっているのかどうかによって展開が変わってきそうですね。
泉の胃が痛くなりそう。がんばれ泉。
どうでもいいけど、泉はなんか応援したくなりますよね。


ナンパ師水沢と女子高

作者は水沢のナンパ術をどこから仕入れたんでしょうか?経験談かな?

数々の女子高生を落とし、友崎までも落として見せる強キャラ水沢くん。
水沢こそ味方なら心強く、敵だと厄介なキャラですねよ。

数少ないぐみちゃんの出番でしたが、特になんもなく終わりましたね。
ぐみちゃんみたいな後輩が欲しい人生だった


ヒロインみみみ

まあ6巻は終始みみみが強すぎて他のことはあんまり覚えていないという人が多いと思います。
読み終わった後「みみみ可愛い!!!」とか「みみみいいいいいいいい!!!」とか叫んだはず。

生徒会選挙以降、友崎を気にしだしたみみみですが、6巻は今まで以上に友崎に対するスキンシップが多かったです。
こんなんされたら好きになるやろ(童貞脳)。
いや、マジで嫉妬してるみみみとか可愛い。

「私は、友崎のそーいうところが、好きなんだからね」
中略
「……あーっ! いま好きってそーいう意味の好きだと思ったでしょ!?」
中略
「――ま、そーいう意味の好きで、あってるんだけどね?」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.331,332

はい、全人類が萌え死にました。

文化祭での漫才の出し物では一波乱ありそうですね。


友崎の性根

6巻で考察するならばここでしょう。
人生という神ゲーを攻略するために日南から指南を受け、しかし、自分の根底となる『やりたいことをやる』という考えは曲げずにきた友崎ですが、悪いところが表面化してしまいます。

人生において自分が最底辺だったことがわかっているからこそ自分を下げて安心し、誰かが自分に好意を向けていることはおろか心配をしていることなどないと考え、自分を大切に思っている人を傷つけてしまう。
本当の性根の部分はまだ変わることができていないように感じます。

「友崎ってさー。なんかかっこいいときとそーじゃないときの差が激しいよねぇ」


弱キャラ友崎くん Lv.6』p.329

みみみの告白前の台詞。
水沢に指摘されたのはこのことでしょう。
友崎が風香ちゃんに本音を打ち明けた時に重い雰囲気になったのも、少なからず友崎のことを想っている風香ちゃんのことを考えれば納得がいきます。

水沢はみみみの告白は自分を意識させることや焦りから来たものだと言っていました。
この作品で常に正しいものが見えている水沢が言うのだから本当なのでしょう。
でも、みみみとしては自分の卑下する友崎に『俺なんか』ではなく『人に好かれる俺』と思って欲しかったのではないでしょうか。
誰よりも優しいみみみだからこその行動だったと思います。

感想

先日、ラノベ好きな友人と話している時に「日南葵ってラノベらしい良い名前だよな」と言われ、とっても納得しました。
みみみやたまちゃんなどの登場人物にあだ名が付いていることは現実味を強くしているように感じます。
前述もしましたが、この作品は極めて現実に寄せている作品ですがラノベらしさがしっかりと残っているからこそ読みやすいのだなと改めて思いました。

章ごとのサブタイトルもゲーム風でおもしろい。
あとがきの作者のフェチ語りですが毎巻、クッソ気持ち悪いけど理解できてしまうという謎の敗北感を植え付けられています。ホント意味不明。

次巻は文化祭後編といったところでしょうか。
6巻のラストでは友崎なりにみみみに対する答えが出ているようだったので、それがどのような内容で、どのような場面で伝えられるのか、楽しみにしたいと思います。

それでは、今回はこれくらいで。

あとがきとカラーイラストを見比べながら。